睡眠不足・寝不足が太る(肥満になる)と言い切るのは、まだまだ証拠不十分のようです!
たしかに世界中での疫学調査や研究では、睡眠不足になると摂食ホルモンの変化がみられて肥満につながるということが明らかになっています。
しかしながら、そのメカニズムの詳細を検証するととても複雑だそうです。
だから、因果関係をきちんと検証する(各研究調査の現論文を見直す)と睡眠不足が肥満と言うには、証拠不十分となるようです。
ましてや、よく寝ると痩せます!というのも、もちろん証拠不十分のようです。
「睡眠不足⇒肥満」という関係が疫学調査で明らかになっても、その背景にあるメカニズムはとても複雑だということ。
多くの実験データがあってもっともらしく見える摂食ホルモンの話も「因果関係」の視点から見直すとまだまだ肥満の(大きな)原因であるという証拠は不十分だということを知ってもらいたかったんだ。
最近では摂食ホルモンのデータを拡大解釈して「よく寝ると痩せる」みたいなキャンペーンも見かけるけど、摂食ホルモン以上に証拠は不十分です。
引用元:ナショナルジオグラフィック日本版サイト 睡眠の都市伝説を斬る 第41回 間違いだらけの「寝不足は太る」
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部部長 三島和夫氏の記事です。この記事は本当に興味深い記事です!是非一読をオススメ致しますよ。
LIGHTINGシュフとしては、照明知識についてはプロなのですが、睡眠の知識に関しては只今勉強中です。ですから、睡眠研究者の三島和夫氏の記事や文献はお世話になっているのです。
この 間違いだらけの「寝不足は太る」の記事を租借して、私なりにまとめたこと、睡眠不足で肥満になるという事が証拠不十分である3つの理由を記事にします。
睡眠不足=肥満が証拠不十分の一つ目の理由
睡眠不足で摂食ホルモンの変化が起きて食欲増進になり、肥満になるという流れが最近の研究で明らかになっています。
特に、睡眠不足が摂食ホルモンに変化を起こすというのは、米コロラド州コロラド大学とイリノイ州シカゴ大学の共同研究チームによって発表されました(米国肥満学会誌「Obesity」オンライン版に、2015年10月15日掲載)。
それではズバリ、結論からいいますと、
睡眠時間が摂食ホルモン・レプチンに与える影響というのは、実験環境で調べた短期間のデータでしかない!
実験環境を元論文で見てみると、被験者は18歳~30歳までの男性19人。4連泊での実験だそうです。
参照:New study helps explain links between sleep loss and diabetes(シカゴ大学 2015年2月19日)
そうです!たった4日間の実験なのです。ですから、長期的に見た影響というのはまだまだ解明されていないのです!
短期間だから摂食ホルモンに異常がみられるだけなのでは?
もっと長期的な見解にすると、もしかしたら徐々に摂食ホルモン・レプチンは、正常化していくのではないか?という研究者の意見もあるのです。
なぜなら、人間のカラダのシステムには、正常な状態を保とうとする強い力=恒常性維持機能というものが備わっているからです。
さらに、睡眠不足が365日続くことはないと言えませんか?週末に寝だめもするだろうし、1日1日同じ睡眠時間というのもなかなか考えにくいのです。
ですから、睡眠時間が変化した時は摂食ホルモンがどうなるかなどが、まだまだ解明されていないのです。
[char no=1 char=”睡眠照明プランナー主宰”]これが、証拠不十分の一つ目の理由ということか・・・。[/char]
睡眠不足=肥満が証拠不十分の二つ目の理由
仮に長期的でも睡眠不足で摂食ホルモン・レプチンの変化が起きたとしても、同時に食欲が高まるというのが、本当に相関関係だけではなく、因果関係があるのかは、実は証明されていない!
またまた、結論から先に書きました。
確かに、実験では睡眠不足にすると摂食ホルモン・レプチンの変化とともに食欲が高まるそうなんです。
でも、食欲の調整に関わっているホルモンや神経、脳機能は沢山あるのです。だから、摂食ホルモン・レプチンなんて実は、影響が少ない部類にはいるかもしれないのです!
睡眠不足の時は、炭水化物やステーキなどの脂質たっぷりなメニューの画像に、食欲・快感・情動などに関係する脳機能が活発になるのが、実験では明らかになっていますが、必ずしも摂食ホルモン・レプチンの濃度とは関係していないのです。
[char no=1 char=”睡眠照明プランナー主宰”]摂食ホルモン・レプチンの変化が、必ずしも食欲が高まる原因である!とは、証拠がまだ判明されていないので断定は、できないということか。[/char]
睡眠不足=肥満が証拠不十分の三つ目の理由
三つ目は、一番疑わしいと三島和夫氏も言っております。
そもそも食欲が高まったからといって、肥満にすぐ直結するの?
すなわち、肥満になるほど食べるという行動を引き起こすのが食欲が高まったからと言えますか?他の要因が考えられるのでは?ということです。
研究者の中には、情動制御力が弱まっていることが肥満を引き起こす最大の理由では?という意見もあるのです。
一例を言うと、いったん食べはじめてしまうと、なかなか腹八分目に抑えることが難しい・・・。とか。
現に睡眠不足になると、情緒不安定になったり、欲求不満を抑える力が弱まることも明らかになっていますからね。
[char no=1 char=”睡眠照明プランナー主宰”]たしかに、そう言われると食欲が高まる=肥満になる!とは決まっていないよな~・・・[/char]
寝るだけで痩せるという根拠はちょっと怪しい・・・
以上、3つの理由で睡眠不足になると、肥満になる!とは断定できないことがわかりました。
だから、安心してください!とは私も言いきれませんが、短期間の疫学調査では人間の体のホルモンに影響することもわかってきているのも事実です。
そういうことも含めても、あらためて睡眠は侮れないことがわかりますよね。
たかが、寝ることじゃないの!?な~んて、軽く考えないで自分の生活習慣を見直すのが健康に繋がるということなのかな~と思います。
[char no=1 char=”睡眠照明プランナー主宰”]睡眠って奥が深いな~。だから、興味を持ったのです!そして、照明・光とも強いつながりがありますからね!これからも、睡眠と照明についてどんどん勉強したことをまとめていきます![/char]
「眠れない」のは照明が原因だった!?
照明が部屋を明るくするだけと思っていたら大間違い!!
[char no=1 char=”快眠光環境アドバイザー”]LIGHTINGシュフのミッションは、「眠れない」のは照明が原因だった!?よりどうぞ![/char]
[cc id=68 title=”人気ブログランキング”]